※日本遺産構成文化財№24「秋葉遺跡出土品」から「王冠型土器」も展示されます。
弥生の丘展示館開館10周年記念・新潟市新津美術館開館25周年記念・古津八幡山遺跡発見35周年記念
美術品と考古資料を、掛け合わせてみると…?新潟市新津美術館館と新潟市美術館のコレクションを、市内から発掘された資料と一緒に展示することになりました。
テーマは、「ここらへんの生活」です。発掘されたモノは、過去の人々がいかに暮らしてきたかを語りかけます。美術品も、時代精神を映す鏡であり、人間の生き方や心の働きについて共感や想像を呼び起こします。共に、私たち自身の生活ぶりに深く関わるさまざまな事柄―新潟という風土・生業・技術・機能と形・日常と非日常など―を見つめ直すきっかけを与えてくれるのです。
この「身近さ」こそ、美術と考古の最大公約数だと考えて選んだ品々が並びます。美術からは、小島丹漾(たんよう)、猪爪彦一、倉俣史朗、東松照明ほか現代の作家による絵画・立体・写真、考古からは、主に秋葉区や周辺地域の遺跡から出土した旧石器時代~中世の資料です。各々の間に生まれる共鳴(不協和音?)を、楽しみながら感じていただければ幸いです。
会期 | 2023年1月14日(土曜)~3月12日(日曜) |
---|---|
休館日 | 月曜日(2月20日、3月6日は開館) |
開館時間 | 午前10時から午後5時(観覧券販売は午後4時30分まで) |
観覧料 | 一般500円 大学・高校生300円 中学生以下無料 ※大学・高校生料金は学生証をご提示ください ※障がい者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料(手帳をご提示ください) ※障がい者、教育・保育活動などの観覧料の免除について ※大学・高校生料金は学生証をご提示ください ※有料20名以上は団体料金で2割引 ※2度目はオトク!リピーター割引(本展半券のご提示で、本展2度目は2割引でご覧いただけます)* ※2館見るとオトク!あっちも割(2022年度以降の新潟市美術館の企画展観覧券を持参の方は2割引)* ※新潟県立植物園および新潟市新津鉄道資料館の入館券を持参の方は2割引* *各種割引は併用不可。1枚につき1回限り1年間有効。 |
主催 | 新潟市新津美術館 |
共催 | 新潟市文化財センター |
あいてマンデ~! | 月曜日でも開館します。今回は、2月20日と3月6日です。 |
こどもタイム | 会場に音楽が流れるので、親子で会話を楽しみながら鑑賞できます。 日時:会期中の第1・第3の木曜日 午前10時から午後1時(1月19日、2月2・16日、3月2日) |
本展では、日本画・油彩画・工芸・デザイン・写真などの多様な美術作品約60点と、考古資料約100点を6つのパートに分けてご紹介し、それぞれの取り合わせによる響きあいをお楽しみいただきます。
小島丹漾(1902-1975)は、新潟市の中心部、古町に生まれた日本画家です。季節の移り変わりを受け入れ、慎ましくもたくましく生きる新潟の人々を描きました。小島の絵の前には、市内の遺跡から出土した、新潟の風土ならではの発掘品―漁労具や石油に関わる資料―のほか、日々の生活で使われたと考えられる道具類が並びます。
▲小島丹漾 北国の春信 1971 新潟市新津美術館蔵
艶やかに塗り上げられた漆器、炎の痕跡や釉の澄んだ色がみどころの陶磁器、滑らかな曲線の輝く金工品。伝統工芸と呼ばれる作品の美が依って立つのは、数千年単位におよぶ、わざの蓄積です。市内から発掘された、かつての工芸技術のありようを伝える品々と共に、現代の新潟の工芸作家による作品をご覧ください。
▲伊藤赤水 無名異窯変壺 1981 新潟市新津美術館蔵
新津美術館の周りには、約1900年前から発展した、新潟県を代表する遺跡が集中しています。見晴らしのよい高台に築かれた、弥生時代の大きな集落の跡や、古墳時代の直径60m程もある墓、奈良・平安時代に栄えた鉄づくりの拠点などです。これら古津八幡山周辺からの発掘資料に、新潟市の画家・猪爪彦一(1951-)の空想の風景画を、見立ての感覚で取り合わせます。
▲猪爪彦一 風景(部分) 2017 新潟市新津美術館蔵
写真家の東松照明(1930-2012)は、ライフワークとして日本各地の桜を撮りました。写真には、満開の桜の見事さも去ることながら、集合して一斉に咲く花の異様さや、花の下に営まれる人間くさい生活の断片も捉えられています。桜のある光景の、ただ美しいだけでない、多層的な印象を伝えるこれらの写真のシリーズには、昔の人の、生と死に対する考え方や、信仰・祭祀のあり方を窺うことのできる発掘資料を一緒に展示します。
「一体どうして、こんな形をしているの?」過去のモノのデザインを見て、このような疑問が湧くことはありませんか。装飾的に見える縄文土器も、その一例ではないでしょうか。新潟市秋葉区から出土した縄文時代の土器片と一緒に並べるのは、1960年代から80年代に活躍した倉俣史朗(1934-1991)がデザインした家具です。現代のデザインも、未来の人には不思議に見えるかもしれません。
▲秋葉遺跡(新潟市秋葉区)の王冠型土器 縄文時代 新潟市文化財センター蔵
大地を鳥の視点で一望したり、建物の断面からみた様子を描いたり。絵や図には、目に見える姿に非現実を織り交ぜて描き、「物事に対する理解が一層深まるように」表現してみせる力があります。全国各地の遺跡・史跡の復元画を専門に手がける早川和子(1953-)のイラストや、当館所蔵の日本画家の作品から、その可能性を感じてみてください。あわせて、考古学の調査法ならではの図の描き方や、約1700年前の土器に刻まれた絵画表現も紹介します。
▲早川和子 古津八幡山遺跡周辺イラストマップ(部分) 2012 新潟市文化財センター提供
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、実施を見合わせる場合があります。
※感染症対策のため、イベント参加の際には氏名・住所・電話番号の提供をお願いいたします。
考古学の研究者で、博物館・美術館の現場においてアートに関わるお仕事も数多く行われてきた講師から、考古と美術にまたがるこれまでの実践について伺います。
講師 橋本 博文 氏(新潟大学名誉教授)
日時 3月5日(日曜) 午後2時~3時30分(午後1時30分開場)
会場 新津美術館 レクチャールーム
聴講無料・先着50名・事前申込不要
展示資料について、文化財センター・美術館両館の学芸員が各々の視点から解説します。
話し手 相田 泰臣 氏(新潟市文化財センター学芸員)、星野 立子(当館学芸員)
日時 3月4日(土曜) 午後2時~(約40分)
会場 新津美術館
定員 50名
聴講無料・先着50名・事前申込不要
〒956-0846 新潟市秋葉区蒲ヶ沢109番地1
TEL:0250-25-1300 FAX:0250-25-1303
URL:https://www.city.niigata.lg.jp/nam/index.html