魚沼市

正安寺遺跡魚沼市堀之内字春日平

②正安寺

正安寺遺跡は、魚野川の支流である田河川流域に位置し、標高約100mの春日平段丘にある縄文時代中期中葉~後期末葉(約4,500~4,000年前)が中心の集落跡です。

発掘調査は、県道拡幅工事に伴い平成5・6・8年の3度にわたって行われ、竪穴住居跡32軒、土坑跡43基、埋設土器10基のほか、柱穴が多数確認されています。しかし、調査区が細長く、遺構の全容を知ることはできず、集落の形が環状集落になるかは不明です。また、袋状土坑と呼ばれる当時の貯蔵穴も多数確認されており、竪穴住居跡などの居住空間とは離れた場所に集中して配置されています。

また、遺跡からは土器や石器が大量に出土しております。中期の土器は、火焔型土器などの地元の土器や東北地方の影響のある土器が多数を占めています。また、土製品も少なく、石器のあり方は原・居平遺跡と同様、調理具である磨石類や採取・加工具の打製石斧が多数占めています。それ以外に、完形の鍔付き石棒1点が出土しています。この石棒の中央部には、帯状に比熱痕が認められるもので、何らか埋設に伴い被熱を受けた状況や石棒祭祀などが推察される貴重な資料です。

本遺跡出土の火焔型土器は、平成18年度に魚沼市指定文化財(考古資料)に指定されています。